
「大自然のニュージーランドで英語を学びながら癒やされたい、でもオーストラリアでしっかり稼ぐのも捨てがたい…」
その迷い、痛いほどわかります。
ワーホリにするか、学生ビザでしっかり学ぶか、あるいはその両方を組み合わせるか。選択肢が多い分、悩みますよね。
しかし、ニュージーランドにも何度も訪れ、オーストラリアには14年以上滞在している筆者が、結論を先に申し上げます。
ワーホリであれ留学であれ、将来のキャリアと貯金を優先するなら、迷わず「オーストラリア」を選んでください。
特に「英語を学びたい(語学留学)」と考えているなら尚更です。
なぜなら、「学びながら働く」環境において、両国の経済格差はあなたの生活レベルに直結するからです。
多くのガイドブックやエージェントは「NZは教育水準が高く、落ち着いて学べます」と言います。
それは嘘ではありません。しかし、学費を払いながら現地で生活する「留学生」にとって、現地の不況は死活問題です。
この記事では、観光パンフレットには載っていない「オーストラリアとニュージーランドの経済・教育格差」と「生活のリアル」を、現地データと私の14年の経験から包み隠さず暴露します。
著者

オーストラリア在住歴14年!
メルボルン・ゴールドコーストと渡り歩いたあとに、南オーストラリアに定住。
TOEIC975点持ちの元オンライン英会話講師「しずか」がリアルなオーストラリア情報をお届け!
目次
オーストラリアとニュージーランド「どっちも素敵」は危険!経済状況もたらす各国の状況を解説!

オーストラリアとニュージランドのどちらがいいか迷うけど、「ニュージーランドはのんびりしていて、人も優しくて、勉強に集中できそう」。
そんなイメージを持っていませんか?
確かに環境は素晴らしいですが、2025年現在のニュージーランド経済は、留学生やワーキングホリデー者にとっても厳しい状況です。
実は今、ニュージーランド現地の人々(Kiwi)さえもが、仕事を求めてオーストラリアへ流出しているという衝撃的な事実をご存知でしょうか。
私が現地で見てきた光景は、まさに「民族大移動」です。
ニュージーランド国内での不況(リセッション)と物価高騰により、自国での生活に限界を感じた若者たちが、より高い賃金と安定した雇用を求めて、海を渡りオーストラリアへ移住しています。
これは留学生にとって何を意味するか?
「アルバイトが見つからない」「見つかっても生活費が高すぎて、学費以外のお金が貯まらない」というリスクです。
オーストラリアとニュージーランドの間には、明確な経済格差が存在します。現地人が脱出している国で、私たち外国人が高い学費を払いながらアルバイトを探すのは、想像以上にハードルが高いのです。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 「落ち着いて勉強したい」という理由だけでNZを選ぶと、金銭的な焦りで勉強どころではなくなります。
なぜなら、留学生の生活の質を支えるのは「アルバイト収入」だからです。オーストラリアなら、学生ビザの就労制限内(2週間48時間)でも、高い時給のおかげで生活費を賄い、遊びに行く余裕も生まれます。NZでは「生きるだけで精一杯」になりがちです。
【収支シミュレーション】オーストラリアvsニュージーランドの出稼ぎ&留学のリアルを数字で暴く!
ここからは、冷徹な数字でオーストラリアとニュージーランドの収支バランスを比較してみましょう。
ここでは、「語学学校に通いながらアルバイトをする(学生ビザ)」ケースと、「フルタイムで働く(ワーホリ)」ケースの両面から見てみます。
| 2025年の学生月間収支想定 | |||
|---|---|---|---|
| 項目 | オーストラリア (豪ドル) | ニュージーランド (NZドル) | 備考 |
| 最低時給 | $24.10 | $23.15 | 豪州は世界最高水準 |
| 【ワーホリ】手取り月収 | 約 $3,113 | 約 $2,900 | フルタイム週38h想定 |
| 【学生】手取り月収 | 約 $1,960 | 約 $1,520 | 制限内 豪:48h /2週間(長期休暇中フルタイムOK) NZ:週25h |
| 家賃 (シェア) | -$1,000 (メルボルン想定) | -$1,000 (オークランド想定) | 都市により変動大 |
| 食費・雑費 | -$600 | -$700 | NZは食料品が高い |
| 交通費・通信費 | -$150 | -$150 | |
| 【ワーホリ月間貯金額】 | 約 $1,363 (約13.6万円) | 約 $1,050 (約9.5万円) | 豪州が約4万円有利 |
| 【学生月間収支】 | +$210 (黒字) | -$330 (赤字) | NZは生活費補填が必要 |
※1豪ドル=100円、1NZドル=90円で換算。学生ビザの就労時間は豪州:2週間で48時間、NZ:週20時間で計算。学費は別途必要。 2025年11月のデータ
上記表の「学生月間収支」を見てください。これが衝撃の事実です。
オーストラリアなら、学生ビザで働きながらでも、生活費を賄って少しお釣りが来ます(黒字)。
しかし、ニュージーランドでは、アルバイト代だけでは生活費を賄いきれず、毎月日本からの貯金を切り崩す(赤字)生活になる可能性が高いのです。
特に注目すべきは「食費・雑費」です。ニュージーランドは島国で輸入品への依存度が高く、スーパーの価格がオーストラリアより割高のことが多いのです。
もし、貯金をなるべく減らしたくないと考えるなら、「現地で稼いで生活費を回せる」オーストラリア一択になります。
オーストラリアの学生ビザ保持者は、セッション中(学期中)は2週間で最大48時間まで就労可能です。
出典: Work restrictions for student visa holders - Department of Home Affairs (Australia)
【オーストラリアvsニュージーランド】豪州ならVET留学で専門スキルを身につけコスパ&将来性UP!
あかりさんは「英語力に自信がない」とおっしゃっていましたね。
もし、ワーホリビザを使う前に「まずは勉強」と考えているなら、「ただ語学学校に通うだけ」のプランは少し見直した方がいいかもしれません。
なぜなら、語学学校(ELICOS)は「英語を学ぶ場所」であって、「英語で何かを学ぶ場所」ではないからです。費用対効果を考えると、数ヶ月通って友達を作るのは良いですが、1年も通うのは資金の無駄遣いになりかねません。
そこで私が提案したいのが、オーストラリア特有の「VET(職業訓練)コース」や「TAFE」への進学です。
- 語学学校: 英語を学ぶ。クラスメートは留学生ばかり。
- VET/TAFE: 英語「で」専門スキル(ビジネス、マーケティング、バリスタ、チャイルドケアなど)を学ぶ。現地学生もいる。
オーストラリアのVETコースは、週1〜2日程度の通学でビザが維持できるコースも多く、残りの時間をアルバイトに充てやすいという特徴があります。
一方、ニュージーランドで学生ビザを取得するには、週に20時間以上の授業を受ける必要があり、アルバイトとの両立がハードな傾向があります。
オーストラリアで「英語力中級」からスタートして、最初の3ヶ月は語学学校、その後はVETコースで専門スキルをつけながら、現地のカフェやオフィスで働く。
これが、キャリアアップと貯金を両立させる「賢い留学」の黄金ルートです。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 英語力中級なら、ダラダラ語学学校に通わず、早めに「専門コース(VET)」へ切り替えましょう。
なぜなら、VETコースの方が学費が安いケースが多く、かつ「専門スキル」という武器が手に入るからです。履歴書に書けるのは「語学学校に行きました」ではなく「英語でビジネス資格を取りました」という実績ですよ。
【徹底比較】オーストラリアとニュージーランドの生活・文化・環境の違い
ここまで「お金」と「キャリア」の話を中心にしてきましたが、実際に住むとなると「生活の雰囲気」も重要ですよね。
ここでは、オーストラリアとニュージーランドの生活環境や文化の違いについて、11の項目で徹底比較します。
基本情報(人口、通貨、公用語、面積)
| 項目 | オーストラリア | ニュージーランド |
|---|---|---|
| 人口 | 約2,700万人 | 約530万人 |
| 面積 | 日本の約20倍 | 日本の約0.7倍 |
| 通貨 | オーストラリアドル (AUD) | ニュージーランドドル (NZD) |
| 公用語 | 英語 | 英語、マオリ語、手話 |
オーストラリアとニュージーランドを比較すると、まず圧倒されるのがその国土と経済規模の違いです。
オーストラリアは日本の約20倍という広大な大陸国家であり、人口も2,700万人を超え、シドニーやメルボルンといった世界的な大都市を有しています。
この「規模の大きさ」は、そのまま求人の数やビジネスチャンスの多さに直結しており、ワーホリメーカーにとっては仕事の選択肢が豊富であることを意味します。
一方、ニュージーランドは日本の4分の3程度の面積に、福岡県と同じくらいの人口(約530万人)が住んでいるコンパクトな島国です。
人口密度が低く、どこに行っても人混みが少ないのは魅力ですが、経済規模が小さいため、仕事の種類や数はどうしても限定的にならざるを得ません。
「都会的な刺激」や「多くのチャンス」を求めるならオーストラリア、「静けさ」や「こじんまりとしたコミュニティ」を好むならニュージーランドという選び方が基本になります。
住まい
| 項目 | オーストラリア | ニュージーランド |
|---|---|---|
| 家賃相場 | 都市部は非常に高い (特にシドニー) | 都市部は高いが豪よりはマシ |
| 家の質 | 都市部は近代的で設備が充実 (ジム・プール付も) 古い家もサバーブにはあり | 古い家が多く、断熱性が低い |
| 暖房事情 | セントラルヒーティング等は一般的ではない 夏が涼しく過ごせるように設計されているが冬は寒い | 暖房設備が弱く、冬は室内が寒い |
オーストラリアとニュージーランドで生活の基盤となる「住まい」を探す際、日本人が最も驚くのはその「寒さ」の違いかもしれません。
オーストラリアの都市部、特にブリスベンやゴールドコーストなどの温暖な地域では、マンション(アパートメント)にプールやジム、BBQエリアが完備されていることが多く、リゾートのような生活を楽しむことができます。
しかし、ニュージーランドの家事情は少し異なります。ニュージーランドの住宅、特にシェアハウスとして使われる古い一軒家は、断熱材が十分に入っていないことが多く、冬場は「外より家の中の方が寒い」と言われるほど冷え込みます。
二重窓(ダブルグレーシング)が普及し始めたのも比較的最近のことです。
家賃に関しては、前述の通りオーストラリアのシドニーが異常な高騰を見せていますが、家の「快適さ」や「設備の充実度」という点では、近代的な建築が多いオーストラリアの方が、日本人にとってはストレスが少ない環境と言えるでしょう。
気候
| 項目 | オーストラリア | ニュージーランド |
|---|---|---|
| 全体的な気候 | 温暖・乾燥 (北部は熱帯、南部は四季あり) | 西岸海洋性 (全体的に涼しい、雨が多い) |
| 紫外線 | 日本の5〜7倍 (極めて強い) | 日本の7倍以上 (極めて強い) |
| 1日の天気 | 比較的安定している地域が多い | 「1日の中に四季がある」ほど変わりやすい |
オーストラリアとニュージーランドの気候は、緯度の違いと地形の影響により、全く異なる特徴を持っています。
オーストラリアは全体的に温暖で乾燥しており、太陽の光を存分に浴びることができる「常夏の国」というイメージに近い地域が多いです(もちろんメルボルンのように冬が寒い地域もありますが)。
一方、ニュージーランドは「1日の中に四季がある」と表現されるほど天気が変わりやすく、朝は晴れていても午後は土砂降り、夕方は強風といったことが日常茶飯事です。全体的に気温も低めで、夏でも朝晩は羽織るものが必要なほど涼しくなります。
共通しているのは「紫外線の強さ」です。両国ともオゾンホールの影響で紫外線が日本の5〜7倍以上と極めて強く、日焼け止めとサングラスはファッションではなく「必需品」です。
「青い空と強い日差し」を好むならオーストラリア、「しっとりとした緑と涼しさ」を好むならニュージーランドが肌に合うでしょう。
就学
| 項目 | オーストラリア | ニュージーランド |
|---|---|---|
| 学校の数 | 非常に多い (大学、TAFE、私立VET) | 少ない (大学は8校のみ、ポリテクニック) |
| 留学生の割合 | 非常に高い (多国籍) | 比較的高い (アジア系が多い) |
| サポート体制 | ESOS法により教育の質&学費保護などが充実 | パストラルケア規定により生活支援が義務化 |
オーストラリアとニュージーランドでは、留学生が選べる「学びの選択肢」の幅に大きな差があります。
オーストラリアには世界ランキング上位に入る大学が多数あり、さらに留学生に人気のVET(職業訓練)コースを提供する私立カレッジが無数に存在します。
ビジネス、IT、ホスピタリティから、ヨガやフィットネスまで、あらゆる分野を英語で学ぶことができ、自分の興味や予算に合わせた学校選びが可能です。
対してニュージーランドは、国立大学が8校のみと少なく、専門学校(ポリテクニック)も政府主導で統合されるなど、選択肢は限られています。
ただし、ニュージーランドは世界で初めて「留学生の生活保障(パストラルケア)」を法制化した国であり、学校側が生徒のメンタルヘルスや生活相談に乗ることが義務付けられているため、初めての海外生活で不安が大きい人には安心感があるかもしれません。
それでも、「スキルを身につけてキャリアアップしたい」という目的があるなら、競争環境とコースの多様性で勝るオーストラリアが有利です。
物価&生活の質
| 項目 | オーストラリア | ニュージーランド |
|---|---|---|
| 外食費 | 高い (ランチ $20〜$25) | 高い (ランチ $15〜$25) |
| 食料品 (自炊) | 比較的安い (野菜・肉は手頃) | 高い (輸入品が多く割高) |
| 最低賃金 | $24.95/h (生活費を賄える) | $23.50/h (高いが高騰する物価に追いついていない) |
オーストラリアとニュージーランドの物価を比較すると、意外にも「田舎」のイメージがあるニュージーランドの方が割高に感じることが多いです。
これは、ニュージーランドが絶海の孤島であり、多くの物資を輸入に頼っているため輸送コストが価格に上乗せされるからです
。特にスーパーマーケットでの買い物でその差を実感します。
オーストラリアでは、自国生産の野菜や肉が豊富でニュージーランドと比べると比較的安く手に入る傾向にある為、自炊をすれば食費をかなり抑えることができます。
一方、ニュージーランドでは、野菜一つとっても季節によっては驚くほど高値になることがあります。
また、生活の質(QOL)を考える上で重要なのが「賃金とのバランス」です。
オーストラリアは物価も高いですが、それ以上に賃金が高いため、働いていれば「たまにカフェでランチをする」「週末に旅行に行く」といった余裕が生まれます。
ニュージーランドでは、物価高に対して賃金上昇が追いついておらず、生活費を切り詰める場面が多くなりがちです。
ライフスタイル
| 項目 | オーストラリア | ニュージーランド |
|---|---|---|
| 休日の過ごし方 | ビーチ、BBQ、サーフィン、パブ | ハイキング、キャンプ、釣り、ラグビー観戦 |
| 重視する価値観 | 「No Worries」 (楽観的、楽しむこと) | 「DIY」 (自分でやる、質実剛健) |
| 服装 | カジュアル (Tシャツ、短パン、サンダル) | カジュアル (機能性重視のアウトドアウェア) |
オーストラリアとニュージーランドでは、休日の過ごし方や大切にしているライフスタイルにも国民性が表れます。
オーストラリアのライフスタイルの中心にあるのは間違いなく「ビーチ」です。
仕事が終われば海へ行き、週末は公園やビーチサイドにある無料のBBQコンロで友人と肉を焼く。
そんな陽気で開放的な生活が根付いています。都市部にはおしゃれなカフェやバーも多く、都会的な遊びも充実しています。
対してニュージーランドは「山と森」の国です。
休日は「トランピング」と呼ばれるハイキングやトレッキングに出かけ、大自然の中で静かな時間を過ごすのが一般的です。
派手な娯楽施設は少ないですが、星空を見上げたり、羊の群れを眺めたりといった、素朴で贅沢な時間を楽しむことができます。
「アクティブに遊びたい」ならオーストラリア、「静かに自然と向き合いたい」ならニュージーランドのライフスタイルがしっくりくるはずです。
旅行
| 項目 | オーストラリア | ニュージーランド |
|---|---|---|
| 移動手段 | 飛行機が必須 (都市間が離れている) | レンタカー・バス (ロードトリップ向き) |
| 見どころ | グレートバリアリーフ、ウルル、ビーチ | フィヨルド、氷河、火山、湖、温泉 |
| 旅行のしやすさ | 広すぎて移動に時間と金がかかる | コンパクトで周遊しやすい |
オーストラリアとニュージーランドを旅行するなら、その「スケール感」と「移動距離」の違いを理解しておくべきです。
オーストラリアはとにかく広大です。シドニーからエアーズロック(ウルル)に行くだけでも飛行機で3時間以上かかり、国内旅行をするにもそれなりの予算と計画が必要です。
しかし、その分、熱帯雨林から赤い砂漠、世界最大のサンゴ礁まで、一つの国とは思えないほど多様な絶景に出会うことができます。
一方、ニュージーランドはロードトリップ(車での旅)に最適な国です。
南北の島を合わせても日本より小さいため、レンタカーを借りて数週間あれば、氷河、フィヨルド、火山、美しい湖といった主要な観光スポットを自分のペースで巡ることができます。
車窓から見える景色が常に絶景で、移動そのものが楽しみになるのがニュージーランド旅行の醍醐味です。週末にサクッと絶景を見に行ける手軽さは、ニュージーランドに軍配が上がります。
文化
| 項目 | オーストラリア | ニュージーランド |
|---|---|---|
| スポーツ | クリケット、AFL、ラグビー、サーフィン | ラグビー (オールブラックスは宗教レベル) |
| 食文化 | カフェ文化、多国籍料理、BBQ、パイ | カフェ文化、フィッシュ&チップス、パイ |
| お酒 | ビール、ワイン (シラーズなど) | ワイン (ソーヴィニヨン・ブランなど)、ビール |
オーストラリアとニュージーランドは、共にイギリスの影響を強く受けていますが、独自の文化も育っています。
特筆すべきは両国の「カフェ文化」のレベルの高さです。
スターバックスのようなチェーン店よりも、個人経営のこだわりのカフェが愛されており、「フラットホワイト」というエスプレッソベースのコーヒーは両国発祥と言われ(本家争いがありますが)、世界最高レベルのコーヒーをどこでも楽しむことができます。
スポーツに関しては、ニュージーランドにおけるラグビー代表「オールブラックス」の存在感は別格です。
国全体がチームを応援し、試合の日は街中がその話題で持ちきりになります。
オーストラリアもスポーツ大国ですが、クリケットやオーストラリアンフットボール(AFL)、テニスなど人気が分散しており、より多様なスポーツ文化を楽しむことができます。
また、両国ともワインの産地として有名で、週末にワイナリー巡りをするのも一般的な大人の遊び方です。
治安
| 項目 | オーストラリア | ニュージーランド |
|---|---|---|
| 全体的な治安 | 非常に良い シドニーやメルボルン、ゴールドコースとなどの大都市では治安の悪い場所もあり | 非常に良い (世界トップクラス) |
| 注意点 | 都市部の夜道、置き引き、薬物トラブル | 車上荒らし、都市部の若者犯罪 |
| 緊急連絡先 | 000 (警察・消防・救急) | 111 (警察・消防・救急) |
オーストラリアもニュージーランドも世界的に見れば非常に安全な国ですが、日本と全く同じ感覚でいると痛い目に遭うこともあります。
両国とも銃社会ではなく、凶悪犯罪に巻き込まれる確率は極めて低いですが、軽犯罪には注意が必要です。
オーストラリアのシドニーやメルボルンなどの大都市では、夜間の繁華街や路地裏での一人歩きは避けるべきですし、カフェで席を立つ際に荷物を置いたままにするのは厳禁です(置き引きに遭います)。
ニュージーランドはより牧歌的で安全なイメージがありますが、観光地での「車上荒らし」が多発しています。
車の中にカバンや貴重品を見えるように置いておくと、窓ガラスを割られて盗まれるケースが後を絶ちません。
また、最近ではオークランド中心部などで若者による犯罪が増加傾向にあります。
「夜は出歩かない」「貴重品は肌身離さず持つ」といった基本的な海外での防犯意識を持っていれば、どちらの国でも安全に楽しく暮らすことができます。
原住民
| 項目 | オーストラリア | ニュージーランド |
|---|---|---|
| 先住民族 | アボリジニ、トレス海峡諸島民 | マオリ |
| 人口比率 | 約3.8% | 約17% |
| 文化の浸透度 | 尊重されているが、日常での接点は少なめ | 公用語であり、生活に深く根付いている |
オーストラリアとニュージーランドでは、先住民族との関わり方や社会への浸透度に大きな違いが見られます。
ニュージーランドでは、先住民族「マオリ」の文化が国のアイデンティティとして深く根付いています。
マオリ語は公用語の一つであり、空港や役所では必ず英語とマオリ語が併記されています。
日常の挨拶でも「Kia Ora(キアオラ=こんにちは)」が普通に使われ、ラグビーの試合前に行われる「ハカ」のように、マオリの伝統が国民全体の誇りとなっています。
一方、オーストラリアの先住民「アボリジニ」の文化も尊重されており、公式行事の冒頭では必ず先住民への敬意を表す挨拶が行われますが、都市生活を送る中で彼らの文化や言語に深く触れる機会は、ニュージーランドほど多くはないかもしれません。
多文化共生や異文化理解という視点でより深い学びを得られるのは、先住民文化が生活の一部となっているニュージーランドと言えるでしょう。
国民性の違い
| 項目 | オーストラリア | ニュージーランド |
|---|---|---|
| 愛称 | Aussie (オージー) | Kiwi (キウイ) |
| 性格の傾向 | 陽気、楽観的、オープン、直接的 | 控えめ、謙虚、親切、少しシャイ |
| ライバル意識 | NZを「弟分」として可愛がる (からかう) | 豪を「兄貴分」として意識しつつ対抗心を持つ |
オーストラリア人とニュージーランド人の性格は、似ているようで微妙に異なり、よく「兄弟」に例えられます。
オーストラリア人(オージー)は、一般的に陽気で楽観的、「No Worries(なんとかなるさ)」が口癖のオープンな性格の人が多いです。初対面でもフレンドリーに話しかけてきて、細かいことは気にしない豪快さがあります。
一方、ニュージーランド人(キウイ)は、隣国のオージーに比べると少し控えめで謙虚、そして非常に親切です。
島国特有のシャイな一面もありますが、一度仲良くなると深く信頼できる関係を築けます。
両国には「Tall Poppy Syndrome(出る杭は打たれる)」という、平等を重んじ、目立ちすぎる人を好まない共通の価値観もありますが、あかりさんが「賑やかでエネルギッシュな環境」が好きならオージーと、「穏やかで落ち着いた交流」が好きならキウイと気が合うかもしれません。。
オーストラリアとニュージーランドの違いについてのよくある質問 (FAQ)
最後に、オーストラリアとニュージーランドの違いに関するよくいただく質問にお答えします。
Q1. ニュージーランドの魅力はゼロですか?
A. いいえ、そんなことはありません! 大自然の雄大さや、人々の温かさは世界一だと私も思います。
ただ、「資金を稼ぐ・貯める」という点では、現在はオーストラリアに分があるというだけです。
資金に十分な余裕がある方や、キャリアよりもスローライフを最優先したい方には、ニュージーランドも素晴らしい選択肢です。
Q2. 30歳ギリギリですが、ワーホリと留学、どっちがいいですか?
A. まずは「ワーキングホリデービザ」の申請をおすすめします。
なぜなら、ワーホリビザには年齢制限(30歳まで)がありますが、学生ビザは何歳でも申請できるからです。
まずはワーホリで渡航し、気に入ったら学生ビザに切り替えて滞在を延長する、という「2段構え」が最もリスクの少ない戦略です。
Q3. 英語力が低くても本当に稼げますか?
A. 「英語力ゼロ」で高時給のローカルジョブをゲットするのは非常に難しいです。
英語力が低いと、どうしても最低賃金以下の違法労働(キャッシュジョブ)しか見つからないリスクが高まります。
渡航前にオンライン英会話で少しでも会話に慣れておくか、現地到着後に1〜2ヶ月語学学校に通って、仕事探しのための英語と人脈を作ることを強く推奨します。
Q4. オーストラリアからニュージーランドまでどのくらい時間がかかりますか?
A. 都市によりますが、東海岸(シドニーやメルボルン)からオークランドまでは飛行機で約3〜4時間です。
東京から台湾や香港に行くくらいの感覚ですね。
逆に、西海岸のパースからだと7時間以上かかります。
ワーホリの最後に「稼いだお金でNZ旅行」をする人が多いのも、この近さがあるからです。
Q5. オーストラリアとニュージーランドをまとめてなんという?
A. 一般的には「オセアニア(Oceania)」と呼ばれます。
より専門的な地理区分やビジネスの文脈では、この2国とその周辺の島々を指して「オーストララシア(Australasia)」と呼ぶこともあります。
現地では親しみを込めて「ANZ(エーエヌゼット)」と略されることも多いですよ。
Q6. オーストラリアとニュージーランドは大陸ですか?
A. オーストラリアは「オーストラリア大陸」という一つの大陸ですが、ニュージーランドは大陸ではなく「島国」です。
地理学的には、ニュージーランドは「ジーランディア」という水没した大陸の一部とされていますが、一般的にはオーストラリア大陸とは別の島として扱われます。
この地形の違いが、気候や生態系のユニークな違いを生んでいます。
まとめ:感情で選ばず、将来のために「稼げる環境」を選ぼう
オーストラリアとニュージーランド、どちらも素晴らしい国ですが、2025年の今「失敗せずに稼いで、学んで、成長して帰ってくる」ための最適解は、個人的にはオーストラリア(特にメルボルンなどの第2都市)です。
「なんとなく」の憧れで国を選んでしまい、現地で金銭的な苦労をして勉強どころではなくなってしまうのは、あまりにももったいないです。
まずは、ご自身の予算と目標に合わせて、より具体的なプランを立ててみませんか?
もし、「今の自分の英語力でVETコースに入れるか?」「ワーホリと学生ビザ、どっちの初期費用が安いか?」といった具体的な疑問があれば、一度無料のエージェント相談を利用して、最新の一次情報を入手することをおすすめします。
無理な勧誘はきっぱり断って大丈夫ですので、まずは情報収集の一環として活用してみてください。