
せっかくオーストラリアに行くなら、あのもふもふのウォンバットを思いっきり抱っこしたい!
その気持ち、痛いほどよく分かります。ずんぐりむっくりした体型に、つぶらな瞳。
SNSで流れてくる愛くるしい動画を見れば、誰だって「私の腕の中に収めたい!」と思いますよね。
しかし、いざ旅行の計画を立て始めると、「抱っこは禁止されている?」「どこに行けば会えるの?」「種類によって違うの?」といった疑問が次々と湧いてくるはずです。
実は、ウォンバットは知れば知るほど奥が深く、そして「抱っこ」以上に心が通じ合う楽しみ方が存在する動物なのです。
この記事では、ウォンバットの基礎知識から3つの種類の違い、そして「抱っこ」はできなくてもそれ以上に愛され、癒やされるための「現実的な正解ルート」まで、現地の最新情報を交えて徹底的に解説します。
これを読めば、あなたのオーストラリア旅行は、間違いなく一生の思い出になるはずです。
著者

オーストラリア在住歴14年!
メルボルン・ゴールドコーストと渡り歩いたあとに、南オーストラリアに定住。
TOEIC975点持ちの元オンライン英会話講師「しずか」がリアルなオーストラリア情報をお届け!
目次
まずは知っておきたい!オーストラリアのアイドル「ウォンバット」の基本情報

ウォンバットに会いに行く前に、彼らが一体どんな生き物なのか、そのユニークな生態を知っておきましょう。
これを知っているだけで、現地で彼らと対面した時の感動の深さが全く違ってきます。
彼らはただ可愛いだけでなく、オーストラリアの過酷な環境を生き抜くための驚くべき進化を遂げているのです。
特徴:ずんぐりボディに隠された「最強の防御力」と「逆さの袋」

オーストラリアのウォンバットは、コアラやカンガルーと同じ「有袋類(ゆうたいるい)」の仲間です。
最大の特徴は、なんといってもその「後ろ向きについたお腹の袋」です。
カンガルーの袋は上を向いていますが、穴掘り名人であるウォンバットの袋は、掘った土が赤ちゃんにかからないよう、お尻の方向に入り口がついているのです。
また、彼らのお尻は非常に硬い皮膚と軟骨で覆われており、これは「最強の盾」として機能します。
天敵であるディンゴ(野生の犬)に巣穴を襲われた際、彼らは頭から穴に入り、硬いお尻で入り口に蓋をして身を守ります。
時にはそのお尻で敵の頭蓋骨を巣穴の天井との間に挟んで砕くことさえあると言われています。
あの可愛いお尻には、実は凄まじい強さが秘められているのです。
大きさと性格:意外と大きい「岩」のような存在感

オーストラリアのウォンバットは「小動物」というイメージを持っている方も多いですが、実物は意外と大きいです。
体長は約1メートル、体重は20kg〜35kgにもなり、中型犬や小さな豚くらいのサイズ感があります。
抱っこしようとすると、ずっしりとした「岩」のような重みを感じるはずです。
性格は基本的にはマイペースで温厚ですが、非常に頑固な一面もあります。
自分の決めたルートを歩くことにこだわり、障害物があっても退こうとしません。
筆者も車を走らしている時に、道路で歩いているウォンバットに遭遇した事がありますが、車を気に留める事なく、ノロノロとそのまま歩いていましたよ。
人間に慣れている個体は非常に人懐っこく、足元にすり寄ってきたり、膝の上に乗ってきたりと、甘えん坊な姿を見せてくれますが、野生の個体や機嫌が悪い時は、時速40kmで走る俊足を見せることもあります。
生息地域:オーストラリア南東部の涼しい森が好き

生息地図はおおよそのイメージです。
ウォンバットは暑さが苦手なため、主にオーストラリアの南東部やタスマニア島の、涼しい森林地帯やユーカリの森に生息しています。
乾燥した内陸部にはあまりおらず、海岸線に近い山間部で見かけることが多いです。
また、オーストラリアの最北部の州にあたるノーザンテリトリーにはウォンバットは生息していません。
記事の後半で、オーストラリアの州ごとにウォンバットに出会える自然の中の生息地をご紹介しているので、詳しくはそちらを参考にしてください。
実は3種類もいる!オーストラリアのウォンバットの種類と見分け方
| 種類名 | 鼻の特徴 | 生息エリア | レア度 |
|---|---|---|---|
| ヒメウォンバット | ツルツル (毛がない) | 南東部・タスマニア (森林) | ★☆☆ (一般的) |
| ミナミケバナウォンバット | 毛で覆われている | 南部・西部 (乾燥地帯) | ★★☆ (地域限定) |
| キタケバナウォンバット | 毛で覆われている | 北東部の一部 (保護区) | ★★★ (幻の存在) |
オーストラリアの「ウォンバット」と一括りにされがちですが、実は現存するウォンバットは3種類に分類されます。
私たちが動物園やテレビでよく目にするのはそのうちの1種類だけで、残りの2種類は非常に希少な存在です。
それぞれの違いを知ると、観察がもっと楽しくなりますよ。
1. ヒメウォンバット (Common Wombat)
ヒメウォンバット。英名は「一般的な」という意味のCommon wombatなんだけど、最近はBare-nosed wombatという名を定着しつつある。ご覧の通り鼻がbare(裸)だし、何よりも「今は疥癬や交通事故や生息地減少でcommonな動物ではなく人間が守っていくべき種になったよ」という認識を広めるためなんだよね。 pic.twitter.com/pLiREn6tUR
— Kotaro 🐨有袋類研究🦘 (@kotaro_womb514) July 18, 2023
- 特徴: 最もポピュラーな種類です。鼻の頭に毛がなく、黒くてツルツルしているため「ハナナガウォンバット」とも呼ばれます。体毛は硬く、色は灰色から黒褐色まで様々です。
- 生息地: ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、タスマニア島の森林地帯。
- 出会える場所: 日本の動物園にいるのも、オーストラリアの主要な観光地で会えるのも、ほぼ全てこの種類です。
2. ミナミケバナウォンバット (Southern Hairy-nosed Wombat)
Pinch and a punch for the first #WombatWednesday of the month!
Young wombats practice their self-defence skills by playfully biting & kicking.
Bum biting is also part of southern hairy-nosed wombat courtship, used to get a mate to chase them.
📹 | brindabella_the_wombat on IG pic.twitter.com/V8vmSgmxUl
— CSIRO (@CSIRO) March 1, 2023
- 特徴: その名の通り、鼻の頭が柔らかい毛で覆われています。ヒメウォンバットよりも少し小柄で、耳が大きく尖っており、顔つきが少し面長で愛嬌があります。毛並みは絹のように柔らかいのが特徴です。
- 生息地: 南オーストラリア州や西オーストラリア州の、乾燥した半砂漠地帯。
- 出会える場所: アデレード近郊の動物園などで見ることができますが、野生での遭遇は難しい種類です。
3. キタケバナウォンバット (Northern Hairy-nosed Wombat)
Happy #WombatWednesday! 🐾
We're thrilled to see the Northern Hairy-nosed Wombat in the top 10 for @theprojecttv's Marsupial of the Year comp.
Why vote for Hairy-nosed?
1️⃣ Largest burrowing marsupial
2️⃣ Only 300-400 left
3️⃣ That face! 😍📸 | Brad Leue via @awconservancy pic.twitter.com/mjkuoWklFt
— CSIRO (@CSIRO) September 18, 2024
- 特徴: 3種類の中で最も大きく、そして最も絶滅の危機に瀕している種類です。目の周りに黒い縁取りがあり、少しパンダのような顔つきをしています。
- 生息地: クイーンズランド州のエッピング・フォレスト国立公園のわずかなエリアのみ。
- 現状: 世界に数約300頭ほどしかいないと言われる「極めて絶滅に近い(Critically Endangered)」種です。一般の観光客が目にすることはまず不可能で、厳重に保護されています。
【手軽&確実!】オーストラリアでウォンバットに会える動物園やツアーをご紹介
では、具体的にどこに行けば、その「最高のふれあい」ができるのでしょうか?
日本からの短期滞在でもお手軽に行ける上に、ほぼ確実にウォンバットに出会える、私が自信を持っておすすめするスポットを厳選しました。
1. 【癒やし度MAX】お腹なでなでの聖地「Ballarat Wildlife Park」(メルボルン近郊)
| 名称 | 住所 | ビジター情報 |
| Ballarat Wildlife Park | 250 Fussell St, Ballarat East VIC 3350 | 【入場料】 大人:$40(施設で購入)$36(オンライン購入) 割引:$30(施設で購入)$27(オンライン購入) 5歳-15歳:$20(施設で購入)$18(オンライン購入) 家族(大人2名&子供4名):$100(施設で購入)$95(オンライン購入) 【営業時間】 毎日9AM-17P M クリスマスは休業 |
「とにかく触れ合いたい!」「向こうから甘えてきてほしい!」という方には、ここが世界一のスポットです。
- 特徴: ここのウォンバットたちは、幼い頃から人間に愛情深く育てられており、人間を「エサをくれる優しい存在」または「大きなマッサージ機」くらいに思っています。
- 体験内容: 「Wombat Encounter」に参加すると、高い確率でウォンバットが足元でゴロンと転がり、無防備にお腹を見せてくれます。これは他の動物園ではなかなか見られない、信頼関係があってこその光景です。
- アクセス: メルボルンから車または電車で約1時間半。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: Ballarat Wildlife Parkのエンカウンターを希望する場合、渡航が決まったらすぐに予約を入れてください。
なぜなら、このエンカウンターは動物のストレス軽減のために1日あたりの人数制限が非常に厳しく、特に週末は数週間前から埋まってしまうからです。「行けばなんとかなる」と思って現地に行き、満席で涙を飲んだ旅行者を私は何人も見てきました。確実な癒やしを手に入れるために、事前予約は必須です。
2. 【感動度MAX】野生の群れに会える「Kangaroo Valley」(シドニー近郊)
| 名称 | 住所 | ビジター情報 |
|---|---|---|
| Kangaroo Valley (Bendeela Recreation Area) | Bendeela Road, Kangaroo Valley NSW 2577 | 【入場料】 無料 (日帰り利用・野生動物観察) ※キャンプ泊をする場合は、WaterNSW公式サイトでの事前予約が必要です(予約手数料がかかる場合あり)。 【営業時間】 毎日 24時間開放 ※ウォンバット観察のベストタイムは夕暮れ(16:00〜)から夜間です。 |
添付画像を参考に、Kangaroo Valley(特にウォンバット遭遇率の高いBendeela Recreation Area)の基本情報を表にまとめました。
「動物園もいいけれど、やっぱり自然の中で暮らす野生の姿を見てみたい」という冒険心をお持ちなら、ここがベストです。
- 特徴: 「Bendeela Recreation Area」というキャンプ場周辺は、世界でも珍しい野生ウォンバットの高密度生息エリアです。
- 体験内容: 夕暮れ時になると、森の中から何十頭ものウォンバットが芝生広場に出てきて、一心不乱に草を食べ始めます。彼らは人間に慣れているわけではありませんが、あまりにも夢中で草を食べているため、静かに近づけば2メートルほどの距離で観察できます。
- 注意点: シドニーから車で約2時間半ですが、夜道の運転は危険なため、シドニー発の「野生動物探検ツアー」に参加することを強く推奨します。
3. 【楽園度MAX】島全体が動物園「Maria Island」(タスマニア島)
| 名称 | 住所 | ビジター情報 |
|---|---|---|
| Maria Island National Park (マリア島国立公園) | 【島へのアクセス】 Maria Island, TAS 7190【フェリー乗り場】 Triabunna Wharf Vicary St, Triabunna TAS 7190 (ホバートから車で約1時間15分) | 【料金】 1. 国立公園パス (必須) 2. フェリー往復 (Encounter Maria Island) 【営業時間】 ・公園: 毎日 24時間開放 ・フェリー運行スケジュール (季節変動あり) 【注意点】 食料・飲料水は必ず持参し、ゴミは持ち帰る必要があります。 |
マリア島国立公園(Maria Island National Park)の基本情報を表にまとめました。
島全体が国立公園であり、アクセスにはフェリーと国立公園パスの両方が必要になる点が特徴です。
- 特徴: 島全体が国立公園で、自動車の乗り入れが禁止されています。天敵がいないため、ウォンバットたちが非常にのびのびと暮らしています。
- 体験内容: 島を歩けば、あちこちでウォンバットが歩いています。特に人間を恐れる様子もなく、自然な姿で生活している様子を一日中眺めていられます。まさに「ウォンバットの楽園」です。
4. 【手軽さMAX】市内からすぐ行ける動物園(シドニー近郊)
| 名称 | 住所・アクセス | ビジター情報 | 特徴・ウォンバット情報 |
|---|---|---|---|
| Symbio Wildlife Park (シンビオ) | Helensburgh NSW 2508 (シドニーから南へ車で約45分) | 【入場料】 大人: $42.00 子供: $27.00【営業時間】 9:30 - 17:00 | 【アットホームなふれあい】 動物との距離が近いのが特徴。 有料のエンカウンターで至近距離での撮影が可能。 |
| Featherdale Sydney Wildlife Park (フェザーデール) | Doonside NSW 2767 (シドニーから西へ車で約45分) | 【入場料】 大人: $38.00 子供: $25.00【営業時間】 8:00 - 17:00 | 【圧倒的な展示数】 オーストラリア固有種のコレクションが豊富。 複数のウォンバットが飼育されており観察しやすい。 |
時間が限られているけれど、どうしても会いたいという方には、以下の2つがおすすめです。
- Symbio Wildlife Park: シドニー南部にあり、非常にアットホームな雰囲気。ウォンバットとの距離が近く、エサやり体験も充実しています。
- Featherdale Sydney Wildlife Park: シドニー西部にあり、オーストラリア固有の動物の展示数が圧倒的。ウォンバットの展示も見やすく、写真撮影スポットとしても人気です。
【州別】オーストラリア全土の自然に生息するウォンバット・スポット一覧
オーストラリアは広大で、州によって生息するウォンバットの種類や遭遇率が大きく異なります。
ここでは、Australia Bucket Listの記事を参考に、各州の代表的なスポットと特徴をまとめました。
タスマニア州 (Tasmania)
| 施設・場所名 | エリア・住所 | 営業時間 | 料金 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Maria Island National Park (マリア島国立公園) | タスマニア東海岸沖 (フェリーでアクセス) | 24時間 (フェリー運行時間に注意) | 国立公園パスが必要 +フェリー代 | 【遭遇率No.1】 島全体が聖地。Darlington周辺で草を食む姿が確実に見られる。 |
| Cradle Mountain (クレイドルマウンテン) | タスマニア北西部 | 24時間 | 国立公園パスが必要 | Ronny Creekの木道は「ウォンバットの散歩道」として有名。 |
| Narawntapu National Park | タスマニア北海岸 | 24時間 | 国立公園パスが必要 | 「タスマニアのセレンゲティ」と呼ばれるほど野生動物が豊富。夕暮れ時が狙い目。 |
| Freycinet National Park | タスマニア東海岸 | 24時間 | 国立公園パスが必要 | キャンプ場やウォーキングトラック付近で、夕暮れ時に目撃されることがある。 |
タスマニアは、野生のウォンバットに会える世界最高の場所と言っても過言ではありません。
ここのウォンバットは本土の個体に比べて警戒心が薄く、日中でも開けた草地で活動している姿を頻繁に見ることができます。
ニューサウスウェールズ州 (New South Wales)
| 施設・場所名 | エリア・住所 | 営業時間 | 料金 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Kangaroo Valley (Bendeela Recreation Area) | シドニー南西部 (車で約2.5時間) | 24時間 | 無料 (キャンプは要予約・有料) | 【NSW州の聖地】 キャンプ場の芝生に、日中でも複数のウォンバットが現れる。 |
| Booderee National Park | ジャービスベイ | 24時間 | 入園料あり | キャンプ場や遊歩道付近で目撃されることがある。 |
| Bundanoon | サザンハイランド | 24時間 | 無料 | 夕暮れ時に村近くのトレイル(Glow Worm Glenなど)で頻繁に目撃される。 |
| Jenolan / Blue Mountains | ブルーマウンテンズ | 24時間 | 無料 | 人里離れたブッシュトラックで偶然出会える可能性がある。 |
シドニーがあるNSW州には、ブッシュウォーキングのコース沿いや地方の保護区など、確実なスポットがいくつかあります。
ただし、タスマニアの従兄弟たちに比べて警戒心が強いため、静かに観察する忍耐力が必要です。
ビクトリア州 (Victoria)
| 施設・場所名 | エリア・住所 | 営業時間 | 料金 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Wilsons Promontory National Park | ビクトリア最南端 | 24時間 | 無料 (キャンプは有料) | Tidal Riverキャンプ場周辺で頻繁に目撃される。 |
| Healesville Sanctuary (ヒールズビル自然保護区) | ヤラバレー | 9:00 - 17:00 | 大人 $46.00~ | 【動物園】 野生ではないが、確実に見られ、生態について学べる保護施設。 |
| Tower Hill Wildlife Reserve | ウォーナンブール近郊 | 24時間 | 無料 | 穴場スポット。セルフドライブで野生動物を探すのに最適。 |
| Great Otway National Park | グレートオーシャンロード | 24時間 | 無料 | Aire RiverやBlanket Bayのキャンプ場周辺で時折見られる。 |
メルボルンがあるビクトリア州は、特に海岸沿いの国立公園で優れた観察機会があります。
基本的には夜行性ですが、夕暮れ時や曇りの涼しい日には活発に動く姿が見られます。
オーストラリア首都特別地域 (ACT)
| 施設・場所名 | エリア・住所 | 営業時間 | 料金 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Namadgi National Park | キャンベラ南部 | 24時間 | 車両入園料が必要な場合あり | ハイキングに最適。小川の近くや草地の広場で野生の個体を探せる。 |
キャンベラ周辺のブッシュランド(原生林)は、健康的なウォンバットの個体群が生息する場所です。
南オーストラリア州 (South Australia)
| 施設・場所名 | エリア・住所 | 営業時間 | 料金 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Brookfield Conservation Park | アデレード北東部 | 24時間 | 無料 | ミナミケバナウォンバットの保護区。半乾燥地帯のスクラブランドに生息。 |
| Gawler Ranges / Eyre Peninsula | 南オーストラリア西部 | 24時間 | 国立公園パスが必要 | 遠隔地だが、ミナミケバナウォンバットの生息地として知られる。 |
ここでは一般的なヒメウォンバットに加え、乾燥地帯に適応した「ミナミケバナウォンバット」が生息しています。
一般の観光客が目にする機会は少ないですが、半乾燥地帯の特定のエリアに生息しています。
ちなみに、筆者がCoorong National Parkを夜にドライブしていると、突然暗闇の道をウォンバットが歩いていることが何度もあり、ヒヤヒヤしたことがありましたよ。
クイーンズランド州 (Queensland)
| 施設・場所名 | エリア・住所 | 営業時間 | 料金 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Epping Forest National Park | クイーンズランド中部 | 立入禁止 | - | 【一般公開なし】 世界で唯一の野生キタケバナウォンバット生息地。研究者のみ立ち入り可。 |
クイーンズランド州には、世界で最も希少な哺乳類の一つ「キタケバナウォンバット」が生息していますが、厳重に保護されているため一般公開はされていません。
※この種について学びたい場合は、州政府の保護活動情報をチェックするか、関連する保護センター(Australia Zooなど)を訪れることをお勧めします。
ノーザンテリトリー (Northern Territory)
| 施設・場所名 | エリア・住所 | 営業時間 | 料金 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Alice Springs Desert Park | アリススプリングス | 7:30 - 18:00 | 大人 $40.00 | 夜行性動物館や教育展示でウォンバットが見られる場合がある。 |
| Territory Wildlife Park | ダーウィン近郊 | 9:00 - 17:00 | 大人 $37.00 | 固有種の教育プログラムの一環として飼育されている場合がある。 |
残念ながら、ノーザンテリトリーの野生環境にウォンバットは生息していません(生息域がトップエンドや中央砂漠まで広がっていないため)。
ここではロックワラビーやディンゴの方が一般的です。
西オーストラリア州 (Western Australia)
| 施設・場所名 | エリア・住所 | 営業時間 | 料金 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Nullarbor Plain周辺 | SA州との州境地域 | 24時間 | 無料 | 目撃は稀。科学的な調査地域や私有地に限られることが多い。 |
西オーストラリア州の大部分にはウォンバットは生息していませんが、南オーストラリア州との州境付近の遠隔地に一部生息しています。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: Ballarat Wildlife Parkのエンカウンターを希望する場合、渡航が決まったらすぐに予約を入れてください。
なぜなら、このエンカウンターは動物のストレス軽減のために1日あたりの人数制限が非常に厳しく、特に週末は数週間前から埋まってしまうからです。「行けばなんとかなる」と思って現地に行き、満席で涙を飲んだ旅行者を私は何人も見てきました。確実な癒やしを手に入れるために、事前予約は必須です。
オーストラリアのウォンバットに関するよくある質問にお答え!
最後に、オーストラリアのウォンバットに関するよくある疑問に専門家の視点でお答えします。
Q1. ウォンバットのフンは本当に四角いのですか?
A. はい、本当です。 まるでサイコロのような綺麗な立方体のフンをします。
これには2つの理由があると言われています。
1つは、腸の伸縮性が場所によって異なり、消化過程で四角く成形されるという生理的な理由。
もう1つは、縄張りを主張するために岩や木の上にフンをする際、コロコロと転がり落ちないようにするためという戦略的な理由です。
現地に行ったら、ぜひ足元を探してみてください。
Q2. 見た目はのんびりしていますが、走ると速いですか?
A. 驚くほど速いです。
普段はトコトコとゆっくり歩いていますが、危険を感じたり本気を出したりすると、最高時速40kmで走ることができます。
これはウサイン・ボルトのトップスピードに近い速さです。短距離なら人間は到底追いつけません。
Q3. オーストラリアウォンバットの寿命はどれくらいですか?
A. 野生では約15年、飼育下では20年以上生きることもあります。
世界最高齢のウォンバットとしてギネス記録を持っていた「パトリック」(Ballarat Wildlife Parkで飼育されていました)は、なんと30歳以上まで生きました。有袋類の中では比較的長生きな動物です。
Q4.オーストラリアウォンバットは噛んだりしませんか?
A. 基本的には大人しいですが、野生動物であることを忘れてはいけません。
特にウォンバットがお尻を向けて後ずさりしてきたら要注意です。
これは彼らの防御&攻撃姿勢(硬いお尻で相手を押し潰す技)です。
また、手を出して無理に触ろうとすると、強力な前歯で噛まれることもあります。
向こうから寄ってくるのを待つのが、安全で好かれるコツです。
まとめ:オーストラリアに行ったらウォンバットに会いに行こう!
オーストラリアのウォンバットは、ただ可愛いだけの動物ではありません。
四角いフンをする不思議な生態、硬いお尻で身を守るたくましさ、そして心を許した人間にだけ見せる無防備なお腹。
そんな可愛らしいウォンバットにオーストラリアで会いに行くには、以下のようなツアーや動物園を訪れることができますよ。
- 確実な癒やしと「お腹なでなで」を求めるなら、メルボルンのBallarat Wildlife Parkへ。
- 野生のたくましさと感動を求めるなら、シドニー発のツアーでKangaroo Valleyへ。
- 楽園のような風景の中で過ごすなら、タスマニアのマリア島へ。
どのルートを選んでも、そこには画面越しでは決して味わえない、温かくて、ちょっと土の匂いがする、本物の感動があります。
さあ、心の準備はできましたか?次は航空券と、そして何より大切な「エンカウンターの予約」を済ませて、最高のもふもふ体験に会いに行きましょう!